ジャズ喫茶RAG    (七日町)

はじめに

こんにちは。MC會津ごっちょです!

今回は七日町にあるジャズ喫茶RAGにお邪魔しました。
9月頭の酒音祭、そして中旬に行われた七日町キャンドルライブにてご縁があったのがキッカケです♪

1時間にも及んだ取材、色々なお話が聞けました。今回も対談形式でごらんください(^0^)

オーナー紹介

ごっちょ
ごっちょ

まず、新田さんの自己紹介からお願いします。

新田さん

生まれたのは北会津で、今は町村合併で若松になったけど、北会津村で生まれて

ごっちょ
ごっちょ

北会津で育って・・・

新田さん

ですね、中学はザベリオ学園、そして会津高校に行ってそれから、大学は千葉工業大学へ。
何故か私の部屋に友達がくると、お前文系だったっけ?って。
本棚は文学小説ばかりでw

ごっちょ
ごっちょ

そうだったんですか?!完全に理系だと思ってました。

新田さん

理系で解明できないものがあるんです。
正解があって当然なんだけど、正解じゃない世界ってものすごく多いわけで。

そういう世界って一種の観念学なんです。

ごっちょ
ごっちょ

ほう

新田さん

道をずれたのがなぜかというと、中学の塾の先生が工業学校の先生で。
その方が、お前の数学は工業学校の3年生までいれても一番。だけどお前の数学は所詮限界がある。哲学をやりなさいって。

ごっちょ
ごっちょ

面白い先生ですねw

新田さん

で、高校に入って哲学書を読み始めたんです。物理とか数学好きだから、勉強は理数系なんだけど、なんか考えてる事がそういう風に走っちゃうんだよね。
大学入ったら、別な生き方があるんじゃないかなって京都に流れて東洋哲学をやりたくて、で、たまたまバイト先がジャズ喫茶だったんだよね。

ごっちょ
ごっちょ

なるほど

新田さん

そういうのでどんどんずれていくんだべなw

ごっちょ
ごっちょ

より道は大事ですね

新田さん

そうだね、だから学生の頃ニーチェも読んだんですけど、その時に読んだ時と、後で読み返すと(感じ方が)違うんだよね

ごっちょ
ごっちょ

確かに、それはあります

新田さん

なるほどな、シュールレアリスムってそういうことなんだなって。
その時その時で自分が変わらなきゃならない。
変わっても決して悪い事じゃない。納得したよね。

ごっちょ
ごっちょ

哲学を学ぶと色々と気づきがありますよね。

新田さん

気づかないとそのままずっと流されちゃうんで。
時代時代で考え方も生き方も変わっても別にそれはそれで自分の人生なんだから。
お前は首尾一貫性が無いって、そういうのは人に言わないようにしないとね。

ごっちょ
ごっちょ

それって逆に誉め言葉だと思いますよ!

ジャズ喫茶 RAGの成り立ち

ごっちょ
ごっちょ

こちらのお店、RAGなんですけど、いつ頃からはじめられたんですか?

新田さん

一番最初にはじめたのは・・・・45年前!45年前に小さなお店を大町三之町ではじめて、そこで3年間やって、場所を変えて、火事で無くなった東宝映画館の・・・
昔RAG TIMEってのがあったんですけど。
そこに移って。そこで京都から同志社大学の軽音楽部とか呼んだりして音楽もやっていたんですよ。

ごっちょ
ごっちょ

なるほど

新田さん

すると周りからウルサイって苦情が出て、しょうがないからって今度は千石バイパス。
今のコロニーハウス。
あそこに土地を買って店を作って、そこは昔まわりに田んぼしかなかったからライブしても苦情も出ず・・・
でそこで何年経ったのかなー。

当時お客さんは田島とか坂下、喜多方とか遠くから来てたんですよ。だから郊外に移って若松から人を呼んでもいいのかなと、猪苗代に引っ越したんですよ。

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですか!あちこちに移転されたんですね

新田さん

そうそう、猪苗代でやっぱり土地買って建物立てて。
そうすると結構、若松から遊びにきてくれたんだけど、ところがやっぱりバブルがはじまって道路がものすごく渋滞して、若松から猪苗代来るの2時間かかったとか

ごっちょ
ごっちょ

え、そんなに?!

新田さん

で、これは客層変えなきゃなんないなと思って、じゃあ県外の人をターゲットにしようと。
で、そっから宿泊施設も作って、スキーも盛んになってきたんで、最終的にコテージ方式にして。
ペンションだと飯作らなきゃだし、お客さんと顔合わせなきゃなんないから、これが嫌でw
11部屋くらい作って。

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですか。今と全然違うスタイルだったんですね

新田さん

ところが世の中は変わるものでスキーに変わってボードが流行ってきて、するとだんだんスキー客も減ってバブルも終わってw
で、どうしよ、辞めようと。
一時はペットが同伴できる宿にもしてみたんだけど、そうすると犬が嫌いな人もいるわけで・・・w
で、真空管のアンプをずっと作ってたので、それをウリにしようと若松に戻ってきました。

ごっちょ
ごっちょ

それがいつ頃ですか?

新田さん

今から8~10年前かな。点々として、ここの場所が8か所目!w

RAG
七日町交差点のファミマの斜め向かいがRAG
ごっちょ
ごっちょ

昔からあるのかと思いました!

新田さん

一か所にいると飽きるんだよね

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですかw

ジャズ喫茶・・・そもそもジャズって?

ごっちょ
ごっちょ

ここでイベントもやられていると思うんですけど、どういったジャンルで・・

新田さん

JAZZだけです。

ごっちょ
ごっちょ

JAZZの由来はアメリカ南部ですよね

新田さん

黒人の貧困層が食い扶持を稼ぐのが音楽しかなかったんだよね。
で、音楽といってもクラシックは敷居高くてなかなか入れないから、JAZZ系、ROCK系に入ってく。
そこでミュージシャンが沢山増えていって、切磋琢磨の世界があって。
反対にロスとか西海岸はまだ黒人が少なかったんで、白人がJAZZをはじめたんですよ。
それでイーストとウエストってジャンルが別れて、だんだんミックスされていって・・・
けど今では黒人の方も音楽やらなくても仕事はあるわけだ。
そうするとJAZZとか、音楽の人口が減ってくるんだよね。
それはやっぱり日本も同じで。

ごっちょ
ごっちょ

はい。

新田さん

昔、学生さんは暇だれして、JAZZ喫茶行けば一杯のコーヒーで何時間もいたんだよね。

ごっちょ
ごっちょ

居心地も良いですしね。

新田さん

そうそう。例えば夏場だと冷房が効いてる、冬場だと暖房が効いてる。
そこに自分の好きな本でも持ってって居れるわけじゃない。

ごっちょ
ごっちょ

そうですね

新田さん

けど、今はケータイの時代になってきて、自分の部屋にもエアコンがあると。
別にでかけなくてもいいなって。
だからJAZZ喫茶ってのは完全に減ってきてるんだよね。

ごっちょ
ごっちょ

今の需要じゃなくなってきたんですね

新田さん

逆に今は聴く人よりも演奏する人が多い
学生の時にブラスバンドに入ってて、JAZZの世界に踏み入れる女性のピアニスト、SAX奏者、ものすごく増えてる

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですか!

新田さん

JAZZって昔からのポピュラーな曲があって、それを聞いて自分でアドリブを考えるってのが基本なんですよ。
中にはオリジナルをやる演奏者もいるんだけど、聞いててもつまんない。
例えばmy funny valentineって曲があったとして、チェット・ベイカーはこういう風に吹いてた、あなたはどう吹くの?って、聞いてて楽しい。

ごっちょ
ごっちょ

同じ曲でも演奏者によってニュアンスや捉え方が違うんですね

新田さん

皆やってる枯葉も何百人って人が自分の曲としてやってるわけだ。
そうすると、そういう楽しみをわかってる方はJAZZにのめりこむけど、最初から難しいから・・・って敬遠する人はそこで・・・ね。

様々なアーティストが演奏している「The Autumn Leaves」
ごっちょ
ごっちょ

なるほど。

新田さん

だからROCK屋さんには悪いけども、セッションって映画の中で

ごっちょ
ごっちょ

見ました僕も

新田さん

そこで、「馬鹿な奴はロックでもやってろ」ってw

ごっちょ
ごっちょ

w

新田さん

ポスターに向かって主人公が言うんだけど、確かにそれはそうだなって。
インプットが無いとできないわけだから、ついていけないってのはあるねえ、うん。

ごっちょ
ごっちょ

音楽やってる人からするとJAZZって難しい印象はあります。
コードも普段使わないようなテンションコード多用しますし。

テンションとは、音楽において聴いている者に解決や安定を期待させるような音を指す。例えば不協和音などは協和音へと移行する可能性がある。テンションは反復や順次進行によっても作られる。

Wikipedia
新田さん

それは自分のアドリブを考える時に、人がやってないのを作ろうってところから来てるんだろうね。
これは不協和音で持ってった方が良いんだとか。

ごっちょ
ごっちょ

切磋琢磨からうまれたものですね。

演奏者の方が多いとのことでしたが、JAZZを聞く機会って今はあまり無いのでしょうか?

新田さん

良くお客さんにも話すんだけど、ドラマとか映画、音声をカットしてください。
バックグラウンドの曲、全部JAZZ.

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですか!知らないだけで普段から耳にしているんですね。

新田さん

そう、聞いてる!
JAZZを使うかクラシックを使うかなんですよ、ほとんどの映画は。
今ね、居酒屋でもよくJAZZ流してるんだけど、それは邪魔にならないからなんだよね。

ごっちょ
ごっちょ

お話の邪魔にはならないですね

新田さん

例えば演歌かけたりすると、演歌好きな人は口ずさんでしまうしねw

バリ島とカレー焼きそば

ごっちょ
ごっちょ

飲食のオススメってありますか?

新田さん

観光客で一番食べてもらってるのはカレー焼きそばだよね。

ごっちょ
ごっちょ

B級グルメってやつですか

新田さん

インディアンっていうカレー味のスパゲッティがあって、それを焼きそばで。
で、私バリ島が好きで、よく行ってるので、カレーをサンバルソース(チリソース)で作ってます。
タイやフィリピンのチリソースは酸味が強くて、バリのはそんなに強くないので。
全国的にサンバルカレーはやってるお店多いです。
だからか、ネットでもうちは出てこないけどw

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですねw

インディアンにヒントを得て、焼きそばでやってみるってのもJAZZに繋がりますよね。
どうアレンジするかって所が

新田さん

あぁ、そうだろうねえ。
バリはカレーがスープなんだけど、おちょこ一杯で飯食えるんじゃないかってくらい辛いんですよ。

ごっちょ
ごっちょ

他には何かありますか?

新田さん

カルツォーネっていう、バリ島でピザハウスにいったら、全部これなんですよ。
イタリア北部のものかな?
これも日本にないなぁって思ってね。

真空管とAKBの違い

ごっちょ
ごっちょ

お店のロゴにもなってるこの写真の真空管は・・・

RAGのメニュー表の表紙にもなっている真空管。
真空管・・・・電極をガラス管に封入し、管内を真空に近くしたもの。 特性からくる柔らかい音でオーディオ機器にも用いられる。
新田さん

これは震災で落ちて壊れた真空管アンプで、遺影で写真飾っとくかって

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですね、これ遺影だったんですか!
真空管への愛が凄い感じられるんですけど、魅力ってなんですか?

新田さん

真空管ってその玉ひとつひとつに特徴があるんです。
例えばギターでいうとメーカーによって特徴があるように。

すらっと背が高い女性だったり、少しふくよかな女性だったり、小っちゃくて可愛い女性だったり。
逆にトランジスタだと皆が均一なんです。

トランジスタ・・・電子回路において、信号を増幅またはスイッチングすることができる半導体素子である。

Wikipedia
ごっちょ
ごっちょ

なるほど

新田さん

均一なんだけど、バラツキが多いんです。
メーカーは材料が安いからトランジスタを作るんだけど、バラツキがあるから平均化させるんです。

ようするに女の人に化粧をさせる。化粧させるとデータ上も良くなる。
早い話がなんだ、AKB?
同じような顔しかないですよ

どこかの姉ちゃんがヒットすると、他の女の子も全部同じ化粧で真似させる

ごっちょ
ごっちょ

時代に合わせて・・・ってことですね

新田さん

そうです。
確かにメーカーからするとその方が売りやすい

ごっちょ
ごっちょ

ビジネス的にはそれが正解かなと思います。

自作の真空管を使ったアンプ
新田さん

だけど真空管の場合にはそれぞれの特徴があるので、できるならネガティブ・フィードバックをかけたくないんです。
良さが消えちゃうからね

ごっちょ
ごっちょ

なるほど、凄くわかりやすいです。

新田さん

薄化粧を好む人もいますし、すっぴんじゃなきゃって人もいるので、真空管アンプのリペアを頼まれた時は、その人がどういう環境で音楽を聴いているかとか細かく聞いてます。

ごっちょ
ごっちょ

オーダーメイドですね

新田さん

だから同じのはないかもしれない

ごっちょ
ごっちょ

それが魅力なんですね。
新田さん、回路図とかも作られてますよね。

新田さん

そうですね、それはたまたま学生の時に私が入った部屋の前に電子科の生徒がいて。
あんた暇なときにこれ読みなって、本をもらって、それを読みながら外に捨ててあるラジオとかからパーツを取り出して・・・

ごっちょ
ごっちょ

すごい専門的・・・

新田さん

で、こういうのでグラフから導き出して・・・

回路図から真空管を作られてます
この後、マニアックな内容になりましたので、割愛致します。
ご興味ある方はマスターのこちらのブログをご覧ください。

JAZZと真空管とドローンと

ごっちょ
ごっちょ

最後になにか、宣伝などありますでしょうか?

新田さん

いや・・・よくお客さんから真空管作りますとか宣伝しないんですか?とか聞かれるんですけど、載せないんですよ。

ごっちょ
ごっちょ

そうなんですか?

新田さん

それやると注文がくるでしょ?
そっちの注文におされるじゃない。
こっちは暇なときに遊んでいたいわけじゃないw

ごっちょ
ごっちょ

なるほどw

新田さん

これも・・・ちっちゃなドローン作って、昨日プロペラが中国から届いたんですけど、これはブラシレスのモーターなんですよ。

ミニ四駆世代としては、ワクワクせざるを得ない!
パソコンでドローンの動作チェックを行っている所
ごっちょ
ごっちょ

ぶらしれす?

新田さん

普通プラスとマイナスの二極ですよね、これ、三本線で制御していくのがこっちのアンプで・・・・

話がマニアック路線にのってきたのでこちらも割愛致します。
ドローン作成にご興味ある方は直接お話をお伺いしてみてください^^

ごっちょ
ごっちょ

なんかJAZZ喫茶のイメージと変わってきましたがw

新田さん

でしょ!w
だからだから・・・宣伝って言われても、困ったなぁと思って・・・

新田さん

・・・これを計算して・・・例えば電圧がこのトランスが・・これが低電圧の回路でリプロとって、バイアスが・・・計算して・・・

ごっちょ
ごっちょ

JAZZ喫茶の取材に来たのに、何の話を聞かされてるかわからなくなってきましたw
本日はありがとうございました!

新田さん

いえいえー!

あとがき

本日は七日町にある、ジャズ喫茶RAGにお邪魔してきました。

真空管やドローンに対しての新田さんのお話、とてもマニアックで自分の知らない世界がどんどん展開されていきました。
僕は理数系と対極にいるので、そちらの話は理解が追いつきませんでした。
逆にニーチェや哲学の話は僕も読んでいたのでスッと入ってきました。

一つ共通点があれば、そこからセッションがはじまって、知らない世界にも興味が持てます。
最初から自分の考えを構築して、知らない世界への敷居を跨がないのではなく、JAZZのように一つの基盤から世界を広げていくのも、また一興ではないでしょうか。

コーヒー一杯で音楽、本、自分の世界に入り浸れる喫茶、是非体験してみてください。

こちらのスピーカーからJAZZが店内に流れています。

最後まで読んで頂きありがとうございました(^^)/

この記事を書いた人

ごっちょ

MC會津 ごっちょ

会津若松出身。
神奈川にてバンド「エレジー」のギタリストとして全国CDデビュー。
2017年末に会津にUターン。

会津の音楽文化を盛り上げるため、音楽サークルmusic cafe會津(MC會津)を立ち上げ、スタジオ制作に励んでおります♪
楽器に関する事、音源制作や動画制作、イベント出演依頼、僕に役立てることならなんでもご相談にのります。いや、のらせてください!

メールアドレス:musiccafe.aizu@gmail.com