会津のうつわ 其の2 – 村上修一さんの漆器

皆さま、こんにちは!

城とうつわとコーヒーを愛するMAIです!

会津のうつわシリーズ第2回目の今回は、会津で漆作家として活動されている村上修一さんのうつわをご紹介したいと思います。

村上修一さんについて

漆の世界は分業制なので、工程ごとに専門家が存在します。

村上さんはその中の”塗師(ぬし)”、つまり塗りを専門にされている作家さんです。

時代とともに数が減っているとはいえ、全国的には塗師さん自体は珍しくありません。が、ユニークなのはそのプロフィール。

一度は会社員として就職し、その後JICAに入りタンザニアへ。帰国後に漆の勉強をして独立、という道を辿り、現在は会津若松市内や東京のギャラリー、器のお店で個展やグループ展を行なっています。

こちらは東京のコハルアンというお店で開催された村上さんの個展の様子。
※写真は全てお店の方の許可を得て掲載しています。
末広酒造のミニ樽と。会津の作家さんの酒器で、会津のお酒をいただく。日常にそんなワンシーンがあったら素敵ですね。

村上さんのうつわ

今回の記事を書くにあたり、個展だけでなく工房を訪れたくさんの作品を見せていただいたのですが、その中で村上さんの作品達から私が受けた印象は

「活かす」

ということ。

素地であったり形であったり古い木地であったり。村上さんは、それぞれの特徴や持ち味を活かすことが非常に上手な作家さんなのだな、と感じました。

そして、それは古くなったうつわにもう一度塗りや絵付を施しうつわとしての命を再生させる「リメイク」、和紙や布などに漆を塗りつけうつわとして成形する「乾漆(かんしつ)」などの作品に、特によく表れています。

これは会津塗の伝統スタイルの一つである、錆絵のうつわのリメイク。錆絵のうつわは外は渋く、中は華やかな絵付が特徴。
色付きの錆絵椀。梅の絵が描かれることが多いですが、その形は作り手ごとに個性が出ます。
こちらは典型的な塗りのお椀のリメイク。古く、弱くなってしまったうつわも塗り直すことで強度や美しさを復活させ、長く使うことができるのも漆器の良い所。
こちらは乾漆のお猪口。素地となるのは和紙や布なので、びっくりするほど軽く、薄く仕上がります。

また村上さんの作るうつわは、伝統的な塗りのうつわはもちろんのこと、作家さんならではの個性的なスタイルも見逃せません。

たとえばこちらの手塩皿。

アフリカの砂漠やサバンナの砂を思わせるようにキラキラとした光を纏う手塩皿には、キリンのワンポイントが。日本の伝統工芸である漆器にほのかに漂うアフリカの香りが新しいですね。

下の3枚の手塩皿は、よく見ると真ん中にキリンの姿が。
会津では「おてしょ皿」と呼ばれている手塩皿ですが、若松市内の漆器店では同型の器を「こづゆ椀」としていることが多いです。

本物の小枝にカラフルな塗りを施した可愛らしい箸置き達は、小枝そのものの素地が活かされています。

カラフルに塗られた箸置き達。鮮やかな色合いが目を引きます。

ちなみに会社員時代には設計の仕事をしていた村上さんですが、その時培ったスキルは、うつわの設計をするときにしっかりと活かされているそうですよ。

工房にお邪魔した際に見せていただいた、製作中のうつわ達。
漆は生き物なので、漆の状態に人間のほうが合わせていきます。

新しいスタイルにどんどん挑戦しながら、古いもの達も大事にする村上さんのうつわは、会津の漆の世界をより素敵にしてくれることでしょう。

皆さんも村上さんのうつわに出会ったら、是非手にとってじっくり見てみてくださいね。個性溢れる作品達に引き込まれること間違いなしですよ!

村上さんの作品は、会津若松市内のスペース・アルテマイスターさんで不定期で開催されるグループ展に出展されています。
こちらのお店では毎年11月〜12月頃に村上さんの個展を開催しています。

この記事を書いた人

MAI

MAI

高校時代に初めて会津を訪れて以来20数年、東京⇔会津を行ったり来たり。
今年からついに、2拠点居住を目指して現在情報収集中。
城と器とコーヒーを愛する、自称SEですw